「生徒指導提要」文科省が12年ぶりに改訂
生徒指導提要(改訂版):文部科学省 (mext.go.jp)
「校則の運用・見直し」の項が大幅見直し
〇「校則の運用」については、校則をもとに指導する際は、「校則を守らせることにばかりにこだわるのではなく、何のためのきまりかということを教職員がその背景や理由について理解すること」が重要としています。そのうえで、「子どもたちがその意味を理解して自主的に校則を守るよう指導していく」としています。そのため、校則の内容についていつでも参照できるように「学校のホームページ等に公開しておくこと」や、「制定した背景等についても示しておくこと」が適切である」と記しています。
〇「校則の見直し」については、「校則を制定してから一定の期間が経過し、学校や地域の状況、社会の変化等を踏まえて、その意義を適切に説明できないような校則については、絶えず見直しを行うこと」が求められてます。さらに、「校則によって、教育的意義に照らしても不要に行動が制限されるなど、マイナスの影響を受けている児童生徒がいないか検証・見直しを図ること」も重要だとしています。
KJTUの考え方
子どもたち自身が「校則」をつくる・見直すとりくみは、権利を尊重している教育のあり方として紹介されることがあります。しかし、このとりくみは、現状の校則が禁止事項のオンパレードであることを批判的に検討しないまま子どもたちに校則をつくるよう促せば、どんな禁止事項が必要かを話し合うことになり、子どもたちに自らの自由を束縛する方法を考えさせることになってしまい、非常に危険です。本来、校則とは、教育への権利を保障するための規定です。いわゆる欧米先進国においては、学校における規則に子どもたちの「権利」を書くのが常識です。すべての規則は権利が侵害されないために存在しています。校則の見直しについて、子どもたち自身が「その規定が自分たちの人権を侵害するものになっていないか」「教育への権利を保障するものになっているか」「子どもの権利条約で確認されているように意見を述べる権利を保障しているか」といった点に着目してとりくめるよう、私たち教職員はサポートする必要があると考えます。